釘の跡/3月24日 百掌往来メモ13

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百掌往来 技

シューネイルアート

靴づくりではたくさんの釘を打つが
それはどうしても跡として残る。
跡が残らないように工夫することも大事だが
毎回同じ位置に釘を打ち込むことができれば、それはArtと呼べる。
これが一番難しい。
職人は外側よりも内側の普段見えないところに己を表現する。
鏡のようにその時の己が映し出される。

以前、まだそこまで気がまわらず、
まだまだ外面ばかり気にしてつくっていたころ
釘の跡が気になると、お叱りを受け、靴を受け取って頂けなかったことがありました。
未熟な腕でだったで済むことではなく、
優先順位は靴の外側からという発想そのこと自体を反省することができるまで
数年かかりました。