2009 |
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師の引退を機に義肢装具製作会社を退職。
神奈川県鎌倉の緑豊かな谷中の一軒家に居を移す。
足に悩みを抱える人へ靴を誂えることと、
靴づくりを手ほどきする靴教室を始める。
屋号は夫婦二人の手の仕事の意味と、
その手に様々な手仕事が繋がっていくよう願いを込めて
『てのひらワークス』
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2010 |
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栃木県益子町のギャラリースターネットを訪ねる。
主宰の馬場浩史さんとともに 足元から身体を整え、
心を健やかに社会を心地良くすることを目指して
新しい靴づくりに取り組み始める。
APbankfesにもこの年から参加。
環境に優しく、地球を大切にする活動を
てのひらワークスとしてできることを考え始める。
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2011 |
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長男多聞が産まれる。
野口整体の先生に出会い、
自分と家族の身体を元気に育てるために入会する。
僕の靴も快適な靴をつくるのではなく、
履いてくれる人の足が元気になるような靴を
つくりたいと思うようになる。
例えばお腹に力が入る靴や、背筋が伸びるような靴を。
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2012 |
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東日本大震災からずっと仕事が手に付かず、
気持ちの整理をつけるため栃木県茂木町の静かな環境へ身を移す。
子育てを十分たのしみながら、これからの道を探る日々。
スターネットでオーダーシューサロンを開設する。
塩と菜種油だけで鞣される白鞣し革など、
天然素材のみで足を優しく包む靴づくりを実践。
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2013 |
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コモンシューズハウス開始。
緑に囲まれた里山で暮らす日々を過ごしていると
都会では知ることのできなかった、
そこに住む人々と土地が結びつく暮らしに、本来の人の生きる姿を見る。
ガレージを改装しアトリエをつくり、
自分だけが使うのではなく誰でも靴づくりが楽しめるように
コモンシューズハウスと名付け定期的に開放する。
また高知をはじめ、全国で靴づくり同好会を開く活動も始める。
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2014 |
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山梨県富士川町昌福寺アヌッタラでこども靴の販売を始める。
僕は大人になってからよりも、子どもの身体が素直に育つ時期こそ
靴をしっかり選ぶべきだと思っている。
そこでちゃんと身体の幹が育てば 大人になって、
いろんな靴を履くことができる逞しい足になる。
こども靴は巷にたくさんあるけれど、
町医者のように親身にその成長を見守ってくれる人や場所がない。
こどもを授かった機に、いつかこども靴店を開きたいと思い始め、
昌福寺でのてのひらワークスこども靴展(店)が始まる。
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2015 |
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次男聞司が産まれる。
世田谷ものづくり学校で手仕事キュレーター石田紀佳といっしょに
靴づくりWS『巡るイノチ』を開催。
革は食肉文化の副産物であり、イノチそのもの。
だからなるべく彼らを尊重し、無駄の少ないものづくりをしたいと思う。
それでも革は溢れていく。ものが増えていく。
小さくしたい、シンプルにしたい、身の程をわきまえたい。
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2016 |
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栃木県茂木町から岡山県吉備中央町へ移住。
益子スターネットの皆さん、野口君、高田君、相馬さん、松崎さん、野原さん。
2tree倉本さん、GUSTO飯島さん、俺たちの米廣田くん、本藍染の青木くん、
靴づくり同好会のみんな。わざわざ足を運んでくれたお客様。
みんなに心から感謝しています。
渡辺敦子さんの紹介で岩手県遠野市のnextcommonsと出会う。
自分にないもの、重ならない立場、シンクロしない気持ち。
でも素直に尊敬できる。それはまだ僕が彼らに追いついていないから。
10年後の遠野に訪れたい。
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2017 |
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地元の先輩に会うために岐阜県八百津町の山庵へ。
そこの景色や人たちに一目惚れする。
岡山で家族寄り添って暮らす中で、
「足元から社会を元気にしたい」から、
いつの間にか「多聞と聞司、恵子さんと健康で元気に暮らす」
へと動機は変化。
長男多聞の靴が靴づくり人生の中で最高の一足となり、
心が満たされる。
靴づくりはいつでも辞められると思えたほど。
てのひらワークスの節目となった多聞の靴。
今年最後てのひらワークスネットの菊池くんの個展を自宅で開く。
新しい家族が増えた気がしました。
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2018 |
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今年は倉敷西ビルに「場所」をつくるという、
てのひらワークス始まって以来の大きな展開がありました。
偶然にも10年目の節目の年となったことは、偶然ではないと思います。
ここまで色々あったけれど、ひとまず10年続けることができたことの
ご褒美を頂きました。
このご褒美をどう活かすかは、またこの先10年の課題だと思います。
山麓から登り始め、10年というその頂に立ち、
そこから広がる雄大な山脈。途方に暮れるほどの。
わかっているのは、この人生のうちではその全てを知ることはできないこと。
ワクワクします。だってやってもやっても終わらないのだから。
終わりが見えているほどつまらないことはないでしょう。
「人間は人間の候補者である。」
今読んでいる本の中でこの言葉に出会いました。
この先10年もこの言葉を胸に歩んでいきたいと思います。
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2019 |
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ザナチュラルシューストアという『苗代』ができた2019年。
苗代とは発芽させた種籾をほどほどの大きさになるまで育てる田んぼ。
苗代で育った小さな苗を本来の田んぼに移し替え植えることを田植えと呼ぶ。
僕はこれまで苗代を使わずに
直接田んぼに種を蒔くような仕事の方法だったけれど
今年から『苗代=ザナチュラルシューストア』が
種をゆっくり見守り育んでくれる。
それはてのひらワークスにとっての革命的出来事。
そして気付いたことは、『苗』とは『靴』ではなく、『人』。
『田んぼ』は『てのひらワークス」 それならば『靴』はなんだろう。
土なのか雨なのか。それとも蛙なのか。アメンボなのか。
『靴』は田んぼの生態に欠かせない
大事な一つの要素であることは間違いない。
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2020 |
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メールマガジン【百掌往来】を開始。
【百掌往来】は僕一人では成立しない。
他者の協力がなければつくることができない。
「僕は他人に期待はしたりしないんだ。」
10年以上前のことですが、
僕の師がそう口にしたことを今でもたまに思い出す。
ここでいうところの「期待」とは、
自分の思い通りの結果を願うこと。
僕も他人に期待はしないようにしている。
でも、「信じれたら」どんなに素晴らしいことかと思う。
どんな結果になろうとも、
そこにきっとある他人の想いに寄り添うことが
「信じること」だと思っている。
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2021 |
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duckfeetとてのひらワークス
てのひらワークスのインソール【Common Shoe pocket】が
遠く離れたデンマークの革靴duckfeetにぴったりとハマる。
繋げてくれたのは、種本浩二さん。
靴が好きで、長年良い靴を探し求めた彼が
数ある靴の中でも特別な思い入れを持っていたのが
このアヒルとカタツムリ。
だから当然といえば当然だったのかもしれないけれど
彼の強い想いがなければ、そもそも発想することもできなかった。
言葉も風習も土地も異なり、どこにも共通点のないふたつの靴。
でもひとりの人間のなかでは、それは有機的に融合する。
これを奇跡と言わずして何とよぼうか。
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2022 |
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吉備中央町の原風景残る小さな集落に移り住む。
森の息、谷の風、大樹の梺、池の畔、土の道。
虫の巣、鳥の影、獣の声、畑の糧、山の幸。
花に愛、月に恋、火を畏れ、水を尊ぶ。
幾度の転居を繰り返し、たどり着いた今。
その道のりは長くて緩やかな下り坂。
小さくなる私。大きくなるあなた。偉大なる世界。
>> 2022 calender
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