Act of faith/4月22日

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数年前、あるシューズメーカーの話を聞きました。

歴史あるシューズメーカーのひとつで、すべての人へ健全な靴を届けるという理念のもと、
研究開発された代表的な靴がある。その履き心地をうみだす製法と形状にたくさんの人が魅了された。
ただ一方で、それが足に合わない人もいた。少なからずいた。僕もその一人だった。
でもだからといって靴の評価が落ちることはなかったと思う。少なくとも僕は自分は履けないけれど
とても好きなメーカーに変わりはない。

ある時、その靴を販売者の一人がその靴の特徴のある小さな一部分が原因ではないかと指摘。
その特徴を外してしまえば、販売しやすく、よりたくさんの人に履いてもらえると提案。
同じ意見を持つ者もたくさん集まったという。

それはたくさんの人に履いてもらうという意味では間違っていないと思う。
けれど創始者はそれを拒んだ。いくらたくさん売れようとも信念のない腑抜けた靴なら本末転倒だと。

結果そのやり取りがどう決着したかまではわかりませんが
きっとこのようなことはモノづくりの世界にはたくさん溢れているのだろうと思います。
この場合、販売者が悪とも言い切れない。製作者も間違っていない。どちらにも愛がある。

何が正しいのかなんて日々流転する世界を彷徨いながら生きること。
他人の意見に心を開いて、個人を超えて生きること。
いろいろ考える話でした。

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多聞は気持ちを言葉にするのが上手いと思う。
難しい言葉なんて使わなくても、
こんなにも情熱的な優しさを込めることができるものなのかと感心してしまう。
大事なことは他人の立場になることだと教わる。
多聞よ。お前は素晴らしい才能を持っているよ。
お父さんはそれを守りたいよ。