工芸店の役割/3月13日

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今週末16日と17日は、くらしのギャラリー本店に在店しています。

先日の高木さんは「地元工芸店の役割は大きい」と仰っていました。
お店を始めたころは、よく作家さんが作品を持ち込みにこられたようです。
その中で多かったのは「この作品は民藝の条件に当てはまってから」という「だから民藝」というキーワード。
確かにそれはそうなんだけど、なんか違うと思ったそうです。
高木さんは著書でも書かれていますが
「だから」ではなく「にもかかわらず」が相応しいのではないかと。

作品を評価する時に「だから~」って作った本人は言えるけれど
「にもかかわらず~」って作った本人がいうとオカシイ。
あくまで作品は自分ではなく他者に評価されるべきだということ。
謙虚さのお話だったのかもなと僕は思っている。
作品から我を取り除き、ナニカを取り出してくれるのは、使い手ではなく、伝え手つまり工芸店なのだ。
我とナニカ、つくり手と伝え手、両輪がないと物事は安定しない。

岡山の工芸店「くらしのギャラリー」で靴を取り扱ってもらって3年になる。
正直最初に仁科さんと石川さんが来てくれたときは、お二人の視座を理解できていなかったけれど
この3年間、くらしのギャラリーの仕事に触れ続けることで
僕の中にナニカをみる第3の目が開きつつあるような気がしている。

僕のいないところでナニカは光る。
矛盾するけど、
僕が在店している時よりもいない時のほうが見えることが多いかもね。