京都から来てくれたＴさん。
足に合う靴をずっと探していたそうです。

膝の手術をしてから、そのハンディや足の痛みを補うために
リハビリや積極的にトレーニングも自分で考えて行動している方。

でもそんな頑張っている足に合う靴がないのが悩みだったそうです。

どんな靴もその中で足は自由に動かすかことができず
膝や身体を補う彼独特の足の使い方を発揮できない。
靴はその靴の動きに足を矯正してしまうと言えます。
その点、足袋や草履は足のわずかな動きも許容してくれるので
Ｔさんは足袋だと調子がいいと話してくれました。

これは、靴をつくる僕にとってとても興味深いお話でした。

足が伸び伸びと動かすことができて
足の動きが靴の動きとシンクロするような靴で、かつ
どこにでも履いて行けるシンプルでタフな靴。

最初にＴさんにどんな靴がご希望ですか？と聞いたとき
「天空の城のラピュタのパズーは履いているブーツ」と控えめに教えてくれましたが
確かにパズーの靴は自由や生気を感じる魅力的なイメージ。
靴が足かせに感じてしまう方にはなおさら魅力的に映っていたに違いない。

どこまでそのご要望に近づくことができるか
とても楽しい靴づくりでした。
仮合わせ、お渡し、何度も岡山まで来てくれてありがとうございました。
おかげで納得のいく靴をつくることができました。これからが楽しみです。

パイロットブーツ　￥６４，８００（木型製作費別途）