多聞へ/8月15日

今日は多聞がこれからお世話になる倉敷の医療機関に家族で面談にいきました。

昨年末、岡山に来てから6年間通院していた医大の小児科が
突然なくなるという非常事態から8か月。
一時は今後の見通しが立たず、焦り、憤り、不安、負の感情に飲まれていましたが、
その少し前に同医大リハビリ科でお世話になっていた理学療法士の西林先生から
「お元気にされていますか。あれからどうしてるかなと多聞君が気になっていてね。
 なにか困ったことがあればいつでもこの電話に連絡くださいね!」とお声がけして頂いたことを思い出し
すぐに相談に乗ってもらえたらと思い連絡をしました。

就学と同時にリハビリ科は一旦終了になっていたため
まるまる4年以上も経っていたのに、多聞のことを覚えていてくれたことには本当に嬉しくて
多聞には心強い大人がいることを、この時心から誇らしく思えました。

小児科がなくなり、次の当てがまったくないことをいうと
すぐにご自宅へ呼んでくださり、これからの相談はもちろん、
まずは多聞の成長を家族のように喜んでくれました。
そして今の課題と未来に向けた前向きな取り組みについてもたくさんご助言を頂きました。

僕も妻もその日どれだけ救われたか。

その時に紹介してくれた小児科の先生の初回検診が今日でした。

「小林さん、医療は「人」ですよ。設備でもブランドでもない。良い先生に診てもらいなさい」
と西林先生がお勧めしてくれたA先生は、
とても優しく、褒め上手で
多聞にも僕にも同じ立場でいっしょに考え、気持ちに寄り添ってくれる心地よい「ひと」でした。

多聞も成長していました。
これまでは、目線が定まらず、足をバタバタさせたり、身体を捩じったり
落ち着きがなかったのですが、
今日は、終始落ち着いて行儀よく椅子に座っていて
先生の質問にも僕らに頼ることなく(いつも僕がじっとしていられず手を貸してしまうのですが、今日は僕も堪えました)
自分の言葉で話していました。

多聞の答えで印象に残っていたのが
友だちのこと。
先々からの「仲良しの友だちはいるかな?」という質問に
「うん、いる。〇〇ちゃん。」と即答していたこと。
「何して遊んだりしてるの?」には、
しばらく悩んでから「庭で育てている野菜に水をあげたりしてる。」
その場にいる大人みんながほっこり癒されているのがわかりました。
仲良しっていいなと。
何をしていても楽しい気持ちになるのだから。

僕はついつい子供を万能にしようとする。
この荒れに荒れた不安定な時代、どんな環境でもやっていける逞しさを身に付けてほしいと願ってしまう。
でも万能なスキルも生物もいないのでないか。
自分が活き活きとできる環境を探し、逃げて逃げて逃げて生きのびてきた。
環境に合わせ進化することもあっただろうけど、そんなことは稀もまれ、基本逃げることが生きる力だったはず。
逃げるように生きていこう。なにも恥じることはない。
その道できっと良い出会いが待っている。大丈夫。この世界は広い。
僕は君のその世界を狭めないように努めよう。

2022.8.15家族