my new shoes 【PLANET】/6月9日 百掌往来メモ 

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ノリランカ農園の玄さんに作らせてもらったことで
今までずっとコンプレックスで目を背けてきたメンズモカシン。
恵子さんにお願いして僕のをつくってもらいました。
久しぶりの新しい靴。新しい製作法。新しい素材。新しいフィッティング。
新しいことづくしで、これからどんな風に育っていくかとても楽しみです。

履いてみた感じは、とてもキツイ。
というもの当然で
使用した木型は僕のよりもずっと細くて、約3センチ程度周囲が違うのです。
どうしてそのような小さな木型でつくったか。
まず前提として
モカシン自体がその靴の特徴として足をしっかり締めて履く靴だという持論があります。
これはローファーやパンプスにも共通する認識です。
同じ人のCOMMONとPLANETは同じ木型ではつくれない。
COMMONの履き心地を、PLANETに求めることはできません。

なのでそもそも自分の足よりも周囲の小さい木型で製作をしました。
でも3センチはやり過ぎです。
足を測る時に普段はメジャーを足に添わせるように当てるのですが
モカシンの場合は足を縛るようにします。この測り方で絞る数値に見当をつけるのですが
通常1~2センチ程度です。3センチも絞れる人はほとんどいません。
いらっしゃるとしたら、よほど慢性的な浮腫みがあるか、最近ではソックスを多重しているか。

それでも3センチにしたのは
そのタイトすぎる靴の履き心地を体感したかったことと
靴の完成後も着脱可能な新しいCommonShoeBaseを活用したセルフカスタムを試したかったからです。
つまり、いま装着しているShoeBaseを外して、薄型ShoeBaseに差し替えて
通常の1~2センチの絞りを体感しようと考えています。

モカシンは足幅(2D)ではなく、足囲(3D)で捉える。
これは靴の構造でイメージすれば理解しやいと思います。

また今日早速歩いてみてわかったことは
足長もとても大事であること。
僕は左右で5ミリ足長が違います。右のほうが短い。
でも大抵の靴は同じサイズでつくっても問題なかったので
今回も足長は同じものでつくりました。
そしたらこの靴はとてもシビアで
左はピタッとするのに対し、右は踵に微妙な緩みがあり気持ち悪い感じ。

現状世の中を見渡すと
靴選びでは足の長さよりも幅で選ぶ人が圧倒的に多いのが事実です。
それは間違いではないし、それでもなんとかなるように作る側も履く側も工夫しています。
でも足長はとても重要で
靴と足の踏み返し部分の動きがしっかりかみ合わせることが大事です。
モカシンはそのリンクが胆となる履物だと今日自分で歩いてみてはっきり分かりました。
【PLANET】は足囲を後からでも調整できるようにしたことで、
まずは足長にしっかり目を向けて靴選びができます。

他にも【PLANET】は底ゴム以外ほとんど接着剤を使わずに作れることで
一般家庭でも製作できる可能性がある靴です。
その辺も話し出すと長くなるのでまたちゃんと紹介しようと思っています。

2020.6.9Standard Shoes