フラットソール/5月22日

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ソールについて改めて考える。
こちらのオーダーシューズはヒールをなくしフラットソールがご要望でした。
今の僕では完全なヒール0シューズをつくることができず、
今の僕ができる範囲でのヒール超低シューズを目指してつくらせてもらいました。

ヒールがないのは、室内で靴を脱ぐぼくらの暮らしのなかでは
当たり前のことなんだけど、大抵の靴にはヒールがある。
下駄、草履、足袋にはないけれど、ほとんどの靴にはヒールがある。
なぜか。その大きな要因は靴木型にある。
全ての靴木型は土踏まず部分をシェイプして設計される。
二足歩行構造により発達した3軸アーチの保持のためだ。
この中足部分のアーチを持ち上げるほどその張りの緊張は増していくが、
この時、つま先と踵の高低差があれば、アーチ(筋膜)自体の負荷は少なくなる。
ヒールが少しあった方が楽だ、という人は多い。特に年配の女性。
その理由はアーチのストレス緩和だろうと思っている。

ただこの歩き方が日本に浸透したのは明治時代になってからであり
そもそも一つの歩き方の方法に過ぎない。
でも日本人のすごいのは、
靴を履いた歩行と、素足の歩行を両立して暮らしていること。
ハイブリッドな民族だ。