モカシンの苦い過去/4月3日

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修理の靴。

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これまでレディースでのみ製作していたモカシンでしたが
メンズも製作を始めました。
どうしてメンズを作ってこなかったというと
これは僕の個人的な苦い思い出のせい。
学生時代に初めてつくったモカシンが
自分の当時のコンプレックスだった甲高幅広の足をより強調して
それが本当に嫌で、せっかく作ったけれど一度も履かずに封印したのです。
当時仲良かった4人組(恵子さんも含む)でご飯を食べに行ったとき
僕以外の3人はモカシンを履いていて、彼らから「なんで履かないの~?」と聞かれて
答えに困った思い出も鮮明に残っている。

今回のノリランカ農園の玄さんにモカシンを依頼して頂き
玄さんならきっと似合うと思い、挑戦することにしました。
そしてできた試作。見た目はバッチリ。想像以上にカッコよくできました。
これが玄さんに似合うことはほぼ確信しているけれど、
僕にはどうだろうか?
ちょっと期待しつつ足を入れてみる。
玄さんに比べて僕の方がだいぶ足が大きいけれど、それでもわかる履き心地の良さ。
そしてそんな大きい足の僕が履いても結構似合っている気がする。

いま、コロナの影響で素材も手に入りづらくなったり
製作時間もかなり圧迫されている。
それでお客様に待って頂いていて、本当に感謝しています。
こんな状況が1年続くのではないかという声が多く聞こえるようになってきたけれど
それでも夜明けは来ると信じ、その時に今この時間が無駄かったと思えるように
一生懸命過ごしたいと思っています。

短い春休みを終え、今日から家族も一人ひとり自分の日常を向き合い始めました。