Caring shoes/3月2日

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屈むことが大変な動作である方には
靴をしっかり履くということがとても難しい。
つっかけでも歩ける人ならサンダルでもいいかもしれないが
力が弱く全体を包んであげたい人にはそれは向かない。

僕が時に指摘されてきたことは
足を甘やかす靴だとか、人をズボラにする靴だとか。
以前はそんなことないよ!とかプンプンしていたけど
最近はそうかもしれないと思うようになっている。
僕はやっぱり弱者の視点でモノづくりをしたい。
精一杯生きている人の気持ちをてのひらで掬いたい。
そう考えると、やっぱり僕は甘やかしている。

「誂え靴は気遣う靴」
初めての靴づくりを教えてもらったモゲワークショップ代表勝見茂さんから教わった。
そうありたいと思うけど、
僕は気遣おうと思って靴をつくってはいない。
出来てる出来てないは別として
履く人が安心できる靴をつくろうとしている。
もしその精一杯の試行錯誤が
その人の痒いところに手が届くことがあれば、「気遣い」があったと思われるかもしれない。
でもそれを望んで仕事ができるほど、僕は熟練者ではない。

在り難いことに毎日毎日仕事がある。
日々成長させてもらっている。
本当に在りがたいことです。
僕の代で恩返しできなくても、いつか息子達の代で還元できればいいなと思う。