about SCHOOL vol.1/11月13日

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今日の仕事。つり込みまで。

【SCHOOLについて】
SCHOOLも子どもの靴を考えるところから始まった靴です。
KIDの次は自分で履ける靴をつくろうと考え、
小学生になった子供たちをイメージしてつくりはじめたのがSCHOOLです。
紐とマジックベルト、その二通りの仕様を選べるようにすることがこの靴に望んだことです。
僕のお客さまの中には手の不自由な方も割合いるほうで
多聞もピンチ(親指と人差し指で摘まむ動作)が不得意で、力がうまく入らないところがあります。
大きくなれば当然できるようになることが
当然ではなく未知数なこともたくさんあって、紐も当然結べるようになるなんて保証はどこにもない。
多聞が4歳から6歳くらいの時、このSCHOOLに繋がる靴を何足もつくっていました。
ちょうどそのころ、昌福寺さんで展示会をさせてもらった時に
身体に障害のある男子中学生が毎日履く通学靴を頼まれました。
その時にも紐靴は結べないから、マジックベルトのSCHOOLを作らせてもらったのですが
それがとてもカッコいい靴に仕上がってくれて、この靴の役割はきっと大きいぞと、確かな手ごたえを得た経験でした。
その時まだ未名だったこの靴のことを【SCHOOL】と呼ぶようになったのはその時からです。

またてのひらワークスの紐靴の対しての見解は
履き心地を調整する機能があることはもちろんですが
大事な機能は、足をしっかりと正しい位置へ導く機能だと認識しています。
たくさんの足を測ってきましたが、僕の特徴上、お客様に偏りはありますが
やはり多くの方が足に問題を抱え、足が弱り身体を支えきれなくなっています。
その結果扁平足や外反母趾などの症状が現れてきています。割合的には細く筋肉が少ない方に多い。
またその方々が、靴に選びで足が楽な方へ楽な方へ逃げて行ってしまうことに危機感を抱いています。
SCHOOLは写真のように羽根が甲中央でくっ付くよう意識して、紐をしっかりと結ぶことが大事です。
履く時は踵をしっかり合わせ、体重を載せないことがポイントです。
土踏まずを上げ、足のウエストをしっかり固定することで、
立った時歩いた時に、前足部へかかるストレスを遮断して、外反母趾などの指周りの圧迫を軽減できます。
一番意識してほしいのは、足を真っすぐに立たせることです。
その大事な仕事ができるのが紐靴です。その仕事をさせずに履くのは勿体ない。
多少の違和感はあるのは当然で、最初は疲れるかもしれないけれど
そうして背筋を伸ばして緊張して歩くことも、僕らは日頃の暮らしに取り入れなきゃならないと僕は思う。

SCHOOLは手の不自由な方にも、足に問題を抱えている人にも
上手につかってもらいたい靴です。

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多聞の生活発表会(僕の時は学芸会と呼んでいた)が先週末ありました。
一番遠くの席から観覧していましたが、多聞の優しい声は会場の隅々に、僕にもちゃんと優しく響き伝わってきました。
「すっきりしました。」
身体感覚から湧き出た言葉に感動。多聞の心境に同調することができました。
日頃、楽しかった?どう思った?などとついつい聞いてしまうのですが
そんな心の質問ではなくて、身体の質問のほうがよいですね。以後気を付けよう。