a grain of rice/10月14日

IMG_7728
美味しいお米ってなんだろう。
昔、どこかの床屋だったと思うけど
その待合所で漫画「美味しんぼ」を何気なく読んだ回が「白米対決」だった。
主人公がこれは魚沼産コシヒカリでとても美味しい。と自信たっぷりに勝負に出たが
相手側は、同じコシヒカリでも、一粒一粒確認して、その大きさを揃えたり、虫食いを除けたりすることで
美味しいお米をムラなく上手に炊きあげ、主人公はその努力と米農家さんへの敬意を怠り敗北する。
というような話だったと思う。
美味しんぼを読んだのは、後にも先にもこの回だけ。
たまたま手に取った床屋の待合所の漫画。
その時は、「一粒ずつなんて嘘だろ。漫画のはなしだろ。」と本気で捉えていなかったけれど、
自分でお米をつくるとそれが嘘ではないことがよくわかる。
自分で作る前は、お米といったら、袋に入っている粒の塊か、お茶碗一杯分のお米しか想像できなかったけれど
今の僕は、お米といったら一粒のお米を想像する。

鍬一本(正確にはあとスコップ)で家族の1年分のお米をつくる。
もちろん無農薬無化学肥料。お金の代わりに手間をかけて、美味しいお米をつくりたい。
でも、素人が十分な道具もなくつくれば、その出来はあくまで家族用の米。
他人様にお裾分けできるようなものじゃない。
そのことをつくづく痛感した今日の米の選定作業。

それでもこうして選りすぐったお米はきっと美味しいはずだ。
最後の手間が大事だってことを僕は随分前にちゃんと教わっていたのだ。
人生も40年経つと、様々出来事が絡み合っていく。

2019.10.14自給自足