馬場さんの思い出 インサイドゴアブーツ/7月14日

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7月13日の続きです。

もうひとつの思いいれの強いサイドゴアがインサイドゴアブーツ。
これはスターネットの馬場浩史さんといっしょにつくった靴です。
馬場さんはこれの元となった僕のサイドゴアブーツをみて
「目に見える要素が多すぎる。」と静かに感想を述べてくれました。
その試作は僕の義肢装具製作の経験をだいぶ注ぎこんだデザインで
今思えば、仕掛け靴というかガンダムのようなというか
いくつもある歩く構造を形にしたようなロボットみたいな靴で、なんかヘンテコ。
もっとスッキリと一つの特徴にまとめた方がいいという助言は
僕のこれまでの義肢装具製作思考回路を壊してくれました。
他人に伝えることの経験的な技法を教えてくれたのです。細かいことろは内緒です。

一週間後、一からやり直して再び持って行ったら、
その試作をみて目を輝かせてすごく喜んでくれたこと、あの時の笑顔が今でも忘れられません。
細かいゴムの形とか、ハンドステッチの流れとか
細かなアドバイスを頂いてインサイドゴアブーツができました。
今からちょうど5年前のこんな暑い夏の思い出です。

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それから一年後の夏の日に馬場さんは亡くなられました。
もうすぐ命日です。
いま吉備中央町のお客さんにつくっている
新作の山羊革サイドゴアブーツを見せたいなぁ。

インサイドゴアブーツ ¥64,800