硝子の石川さん/9月10日

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修理で戻ってきたショートブーツ。
8年以上前に誂えたもの。懐かしい。
よくよく振り返っても、このタイプは未だにこの1足しか作っていない。

とても大切に履きこまれているのがわかる。
新品の時には、ここまで素敵な靴に育っていく靴とは正直想像できなかった。

使い込まれていくほどに魅力的になっていくものをつくりたいと思うけれど
まだまだ10年そこそこの僕にはそれには何が大事であるかわからない。

今日、とてもお世話になっている硝子作家の石川さんが遊びに来てくれて
こんな機会は滅多にないことなので、僕もここぞとばかりにいろいろお話を聞かせてもらった中で
「COMMONをこれからもずっと作り続けてほしい」と言ってくれた時、
その言葉その情景が強烈に胸に刻み込まれた瞬間だった。

いまは愚直に作り続けるしかない。
たくさんたくさんつくって、いつかそれが誰がつくったかなんて気にならないくらい
この世界に溶け込んでくれたらと願いながら。
そんな生活道具こそ一番美しいのかななんて、考えた夜でした。
我が家の食卓に並ぶ石川さんの硝子コップをそうであるように。

2022.9.10山のアトリエ