獣の仕業、野辺の草花、里の在処/9月2日
一夜にして壊滅した稲作。
柵も網も何もしていなかったのだから、
こんな山との境界線上に食い物があったらそりゃ頂きますだよね。
土日の仕事が多くなっていたので
今月から金曜日の午後は休みと決めて、子供と図書館へ。
そこで内山節著『里の在処』に出逢った。
帯の一文で決めた。
「田舎」をもたない人間が
「里」をもつことは可能か
僕が家をもつことになるなんて
自分でも不思議だったけれど
『里の在処』はその気持ちを代弁してくれているような気がした。
私たちは、魂が帰りたがっている場所を欲しているのではないだろうか。
私にとって<里>とは何か。それは魂が元に戻ることのできる場所である。
知性は自己を主張するが、
魂は自己を主張することの虚しさを、
自然と村人との網の目のなかにただ存在するだけの吾を語る。
本文序章より抜粋。