個性という杭をどのくらい打ち込むか/2月24日
今日は木型製作。
手のひらを広げた時のように
足の小趾が生まれつき外側へ開いている。
荷重によって足のアーチが下がり外反し、より小趾へとストレスがかかる。
外反を矯正することは間違いではないが
加減が難しい。
今回の靴づくりは個性をどう活かすかが問題であると言い換えてもいい。
この方はずっと自分の足で歩いてきた。
たまたまそれが他の人と少しだけ変わっていたせいで
靴にとても苦労してきた。
僕の前に相談した靴屋さんにいたっては、
僕と同じオーダーメイドでの靴をつくっているのもかかわらず
「靴とはこういうもんだ」と言われ、
足に靴を合わせてもらえず、靴に足を合わすよう諭されたと。
できるかぎり個性を残して
かぎりなく素足に近い靴を目指しつつ、
でもやわやわな靴下みたいにはせず、
歩く道具としての靴の良いところはしっかり取り入れてつくろうと思う。
個性という杭は打ち方はただ潰すだけじゃない。
だてに毎日毎日釘を打ってはいない。
個性的な靴をつくる、なんて楽しい靴づくりだろう。
まだ完成もしていないし、まだ出口もみえていないけれど
偉そうなこと言うのはまだ早いかもしれないけれど
この問題を解決するのは僕じゃないかもしれないけど
きっと誰かがやり遂げて、靴をもっともっと心地よいものにしていくだろうと
勝手に想像している。
まだまだ靴の世界は進歩していかなきゃならない。
まだまだ道は続いている。なんて素敵なことだろう。