オイルブレッド/7月6日 百掌往来メモ26

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百掌往来 革

この春からずっと入荷を待っていた
イタリアのオイルブレッドがやっと届きました。

オイルブレッドは、大阪のレザーショップフェニックスさんから購入しています。
そちらで紹介している内容をコピーさせてもらいました。

 イタリアのトスカーナ州にあるコンツェリア 800(オット チェント)社で製造されているイタリアンショルダーです。
 同社は、主にフランス原皮を使用し、トスカーナ地方の伝統的な技法であるバケッタ製法で、タンニン鞣し一筋のタンナーです。

 バケッタ製法とは、植物性タンニンで時間をかけて鞣した革に牛骨などを煮沸して採取した純度の高い「牛脚油」を時間をかけて
 ゆっくりと加脂していく、時間と手間のかかる製法です。
 この製法で作られた革は、革の中に油脂成分をしっかり留め、コシがありながら滑らかで手に吸い付くような手触り感を併せ持ち
 ます。また、見事な経年変化(エイジング)を見せてくれるのも特徴です。

僕が実際につくってみて、履いてみて、とても感動したのは
説明にもある【コシがありながら滑らか】というところ。
日本のタンニン鞣し革に比べたら、コシは物足りなく感じるのですが
でも実際靴にしてみると、とても良い塩梅。
普通このくらいのオイルを入れてしまうと、コシがなくなってしまうのが普通。
このオイルをとどめつつ、若干のコシを保ち、しっかりとした銀面で仕上げる革は
土と水のある暮らしの道具にピッタリです。

佐藤さんとここ数年革の開発に取り組んでいますが、
このオイルの加減が本当に難しい。そもそも日本のヌメ革でオイルブレッドをつくることは不可能。
でも何度も試作を作っているうちに、イタリアレザーの真似ではなく
日本のヌメ革ならではの「コシを活かす革」と「コシを抜く革」ができることにも気付くことができました。

コシのあるなしが革の価値を決めるわけではありませんが
コシをうまくコントロールすることは重要です。
作りたい靴も外見だけでなく、手触りや使い心地まで深く豊かに作り込むことができます。