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百掌往来

てのひらワークスは自分で手で考え作り、その足で歩き感じることを
まさに自分たちの身体を実験台にして一足ずつ作ってきました。
僕らの身体がてのひらワークスをつくってきました。
でもこの十年振り返ると、
自分の足跡だけでなく、つくらせてもらった方々の足跡が
ぎっしりと並んでいる景色が目に浮かびました。
すぐ隣りまで続いているもの、後ろで立ち止まっているもの、途中で消えているもの。
その一歩一歩が今のてのひらワークスをつくってきたんだ、と気付き
今、これを読んでくれている皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

これからてのひらワークスはどのように靴をつくっていこうか。
それはこれまでと変わりません。
また、どのような人に履いてほしいか。
それもこれまでと変わりません。

てのひらワークスがこれまでと変わらず「靴づくり」に精進していけるように
今まで思うようにできなかった履き手(愛用者)の足音を、
よりこの手に響かせされるように、てのひらワークス通信「百掌往来」を始めます。

ここ数年間、日記を続けてきました。
てのひらワークスの靴づくり。
新しい靴の話。困った話や嬉しかった話。
靴をつくる技法の話。友人の話。時には哲学や政治のことなど、
日々更新されていく「今のてのひらワークスの靴づくり」を
冷めないうちに分かち合うことを目的に続けてきました。

百掌往来の「往来」は文字通りで、往復書簡の意味です。
てのひらワークスの一方通行ではなく、
愛用者さんたちの言葉もいっしょに紡ぎながら、
靴はもちろんのこと、歩くこと生きることに向き合い
共に積み重ねていく「往復書簡」になることを望み、「百掌往来」と名付けました。

てのひらワークス通信は、
製作者の日々働く手の声だけでなく、
愛用者方の日々歩く足音を紹介していきたいと思っています。
VOL、1は「僕の家族」を紹介します。

配信ご希望の方は
以下のリンクより、お申込みください。
http://tenohira.noor.jp/hyakusho
季節の節目に心を込めて送らせて頂きます。

またもしよかったら、あなたの靴のことを百掌往来で紹介させてください。
実際に履いている日常のこと。オーダーに至るまでの経緯。WSに参加した話。
日記を読んだ感想など。どんなことでも構いません。

宜しくお願いいたします。

最後に河井寛次郎の有名な詩「手考足思」から
いまとても響いているのは後半部分を抜粋紹介します。
これまで前半だけでうっとりしていて、後半はずっと掴みきれなかったのですが
10年経って少しだけわかってきたような気がします。気がするだけです。

あなたは私のしたい事をしてくれた
あなたはあなたでありながら それでそのまま私であつた
あなたのこさへたものを
私がしたと言つたならあなたは怒るかも知れぬ
でも私のしたい事を
あなたではたされたのだから仕方がない

あなたは一体誰ですか
さういふ私も誰でしやう
道ですれちがったあなたと私

あれはあれで あれ
これはこれで これ
言葉なんかはしぼりかす

あれは何ですか あれはあれです あなたのあれです
あれはかうだと言つたなら
それは私のものであなたのものではなくなる

過去が咲いてゐる今
未来の蕾で一杯な今

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2020.6.13百掌往来