【歩】について/5月2日 百掌往来メモ18

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寝起きカエル。

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すくすく育ちますように。

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百掌往来 芯 
【歩】について

安定重視のシューベース製作。
ベーシックの底形状は舟底型であり、足形形状であり、【歩】の形を意識している。
このシューベースは平面で地面に吸い付くよう【止】の形を目指しています。
もちろん【止】の靴の仕事。
「歩」という文字は左右の足跡の形を表しているらしい。
片足が【止】もうひとつが【少】

歩くことは、不安定な状態であることなんだと気付く。
にもかかわらず、僕らは歩きたいと望む。
不安定で不安で迷うことこそ、生きることなんじゃないかと思う。
何も考えなくても何も気を付けなくても
転ばない足元では、歩けることは当たり前で
カッコつけたり、自分らしく歩けているかとか、実は余計なことばかり気にしていた気がする。
どう歩くかばかりに気を取られて、いかに遠くに進めるかばかり考えていたら、
いざ、天変地異や事故が起きた時、僕らは途方に暮れるだろう。
これから考えたいのは、止まること。
止まることは難しい。そんな練習なんてしていないから。
ふらついてしまう身体を支えるのはなんだろう。
シャンと止まれる足になりたい。それはチカラ強く踏み出せる足でもある。
踏み出すことと踏み止まること。
その間を常に迷い右往左往していこうと思う。
【止】と【少】で歩く。

今日も子供たちと自転車で遊んでいると
「どうして自転車は倒れないの?」と聞いてきた。
「不思議だよね。走り始めると倒れないよね。」と答えあぐねていると、
それを待たずして、彼らはまた走り始めた。
今日は聞司が2回。多聞が1回転んだ。痛いし怖かったと思う。
それでも笑ってまたガムシャラにこいでいた。
転ぶことさえ愉める彼らがいまとても眩しい。

自分らしく生きられるのは
どこか余裕があったのかなと思う。
転ぶのが当たり前、壊れるのが当たり前の時代なら
もっとこの子たちのように
がむしゃらになって自分のことなんて忘れてしまうくらい
いまにしがみつくだろうと思う。
そしてそれを愉しかったと言える人生は最高だと思う。
まさに今、それを試されているだろう。

2020.5.2自給自足