アライメント/4月8日 百掌往来メモ14

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百掌往来 技 
アライメント

アライメントを考察し設定することが常だった義肢装具製作。
今でも靴づくりにとても大事なこと。
その靴のアライメントは木型が基準となり、通常はそこに手を加えることはできない。
てのひらワークスのシューベース製法の場合は、
木型+シューベースでアライメントを決める。
シューベースの作り方ひとつで、履き心地にバリエーションを持たせることができる。
僕が感じる靴づくりの面白さのひとつ。

そして、アライメントは必ず狂う。
狂うというと、悪い方向にしか考えられないが
決して悪いことばかりではなく、良い結果になることも多い。
走り続けていると車のアライメントが狂い、走行性能を低下させるが
それがその車の個性となり、長年運転してきたドライバーにしか癖があったり
エンジンもその人しかかけられないなんて友人の話も聞いたことがある。
ミシンもそう。師匠のミシンは師匠が使うととても機嫌よさそうで、
そしてなんだか師匠そっくりだった。

靴もいっしょ。
アライメントは大事。
より快適なアライメントをいつも探りながらつくっているけれど
履く人の歩みでしか作られないアライメントもある。