核心/2月16日 百掌往来メモ9

百掌往来 

仮合わせ 芯

僕がまだ相手の欲する靴がなんなのかが分かっていない時、
または相手の欲しているモノが分からないとき
仮合わせをしているのだと、気が付いた。
それまでは履き心地を確かめるためだと思い込んでいたが
実は、それも含めて相手が欲しているモノを浮かびだすことが
仮合わせの目的だった。
それは履き心地とか見栄えとか、治療とか。
靴に求められるモノは多岐にわたっていて、人それぞれ配分こそ違えどその全てが含まれている。
履き心地さえ良ければ何でもいいと言う人もいる。その逆の人もいるかもしれない。
僕はそんな人たちがとても苦手だ。
相手は本心を話してくれていると思うけど、本当のことは違うから。

履き心地を確認することが仮合わせの目的ではなく
履き心地という核心をとらえたうえで、浮かび上がってきてほしい欲求こそ
仮合わせで最も大事なこと。

僕は履き心地で100点とれない。
まだまだそんな腕はない。
その言い訳かもしれないが、足りない点を補う力をいま少しずつ付けている。
いつかは120点とか200点の靴を作れるようになれると信じて。

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聞司の夏から続くクワガタ熱。
日課のイラストもかなり上達してきた。
彼曰く、オオアゴの先の形状が特徴らしい。
「ギラファノコギリクワガタ」