about Pattern/1月21日 百掌往来メモ3

IMG_8745

IMG_8746

今日は型紙づくりの一日。
前回作ったときに、ほんの少し気になっていた部分に手を加えたり(それが正しいかどうかはわからない)、
本来は厚い革1枚で仕立てる靴を、表革と裏革を合わせてつくる仕様に変更して、
細かな部分のデザインを変更するなど、かなり頭を使う一日でした。

百掌往来

型紙 芯 技

型紙は複雑で多種。
同じシルエットの靴でも、
アッパー革が異なれば、それぞれに型紙を作らなければならない。
硬い革、柔らかな革、厚い革、薄い革。それぞれ違う型紙をつくる。
当たり前のことだが、革が変われば、履き心地も変わる。木型も変わるだろうし、デザインも変える。
よってそもそも同じ靴ではなくなる。
注文靴では注文主によく革を選択してもらうことがあるが、
革の色違いであっても黒と非染色が違う革の質になっているように
まったく別の靴として説明をしなければならない。
でも僕らはできる限り、
黒も非染色も同じ履き心地になるようにつくることを心掛けなければならない。

靴の型紙を考える時、必ず気を付けることは、作りやすいことだ。
型紙は複雑で様々な課題を乗り越えていくとても難しい作業だが
僕らはそれを誰がいつ見ても明快なものにすることが目的であることを忘れてはならない。
どうしてこの大きさなのか、どうしてこの繋ぎ目なのか、
目で見てわからなくても、手を動かしてつくっていくと、
「こんな意味があったんだ」ってひとつひとつ気付いてもらえるように
つくる人と履く人への配慮を込めてなければならない。

型紙づくりには技術はいらない。
技術化されてしまうと、想像しなくなるから。