１０年前に作ったモカシンシューズ。
今回３、４回目の靴底張替修理をしました。感無量です。

初めての展示会でつくった思い出の靴。
展示会に並べていた靴ではありませんでしたが、
モカシンを履きたいというお客様のご要望をうけ、作らせてもらった靴です。
あの頃は「自分の靴はこれだ！」っていう自信がおそらく不足していたけれど
そのぶん、目の前の人の気持ちになって必死だったと思います。
でもやっぱり自信がないから、
お渡しした後もなかなか真正面から目を合わせられないような
びくびくしていた開業１年目の自分を思い出します。

直接感想を聞く勇気もなく
１年後くらい、共通の友人から
そのお客様が「とても気に入っていて、てのひらワークス以外は履けない。」って言ってたよ。
と、ようやくその後の様子を聞くことができたやり取りも鮮明に覚えています。

僕はそもそもそんな小心の情けない人間。
そんなんでよくこの仕事をしいているなと思う。
自信なんてないほうがいいと思う時もあるし
あったほうがいいと思う時もある。
前者は自分と向き合うとき。後者は他人と向き合う時。

これから６年生になる女の子に中敷きをつくりました。
矯正するというよりも、靴と足の間を埋めるイメージでつくっています。
どんな足が理想的なのか、実はわかっているようでわかっていない。
どのくらいアーチがあったほうがいいのか、それは人それぞれ。
短距離ランナーと長距離ランナーでもきっと理想的な足は違う。
武術家と主婦がかなりいっしょだったり。
足をどう使うか。考えなきゃ。