一期一会/1月3日
たくさんの方が笑顔で挨拶を交わす、新年スターネットの雰囲気はとても心地良い。
たぶん半分以上が常連さんです。毎年僕と同じように楽しみにしているんだろうな。
そんな中見かけたのが、4年前に馬場さんとつくった白鞣し革の靴を履くご婦人。
毎年少しずつ手を入れ、歩きやすさ、修理しやすさ、丈夫さは良くなったけれど、その4年前に初めて作った靴のフォルムが、丸っこくて可愛らしくて、なによりその靴がとても似合っていて、僕の目には今の靴よりも魅力的に映りました。
手を加え、精度を上げていくうちに、失うものもある。その天秤をいつもゆらゆら揺らしながら迷いながら作っている。その一つ一つの岐路で最善の手を尽くして。
すぐれた靴と似合う靴、悩みますが、彼女に声をかけるとしたら、今の靴ではなく、4年前にこの靴に出会えたことが幸せでしたねと言いたい。
僕はもう4年前の靴をつくることはないかもしれないけれど、この人が履いている限りは、いつまででも支えたいと思います。
写真は最新版の白鞣し革コモンシューズサボです。この方も本当に良く似合っていました。
白鞣し革のコモンシューズサボ ¥43,200