leather dresser Mr.Sato/1月20日

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革職人佐藤さんに会うため、昨夜夜行バスで東京へ来ました。
年末に電話で伝えた僕の要望をそのままに実際に試作革をつくって頂き
靴に加工した状態を見てもらうためです。
僕はその革の仕上がりに満足していて、靴になった時に気になるところが出てきたのですが
それは自分の技量が足りないせいだと思っていたその箇所を
佐藤さんが革づくりの時点で改善できると提案してくれたことなど、
これまでの一人きりではできないモノづくりの始まりを感じることのできる有意義な打ち合わせとなりました。

佐藤さんは「自分にしかできない仕事がある。それを必要としている人がいる。」と言います。
それは技術的なこともそうですが、技術とは少し違う意味だと思っています。
すこし話を変えますが、佐藤さんとの打ち合わせ後のその日の夜、地元の幼馴染と5年ぶりくらい会って酒を飲み交わしました。
その時、彼が言ったことを聞き流すことのできずにいます。

「仕事を楽しいと思ったことが一度もない。」

以前、内田樹さんのブログ「労働について」を読んで
「労働と賃金は等価交換ではない。」ということを教えてもらった。
誰かと仕事をするとき、僕はその原理をいつも意識する。

佐藤さんは僕の言う通りに動く方ではなく、
誰の為でもなく、その力を出し惜しまない仕事人でした。
僕の師匠もそんな仕事人だったなぁ。