恵子さんに縫製をお願いしました。
というのも恵子さんに履いてもらいたいとイメージして作っている靴だからです。
明日はその仕事を受け継ぎ、つり込みから仕上げまで僕がやります。

丁寧な仕事を受け継げることはとても嬉しいことです。
それに応えて僕もいい仕事をしようと思います。
素材も同じで、いい素材を丹精込めて作ってもらっているからこそ
無駄にはできないし、その革が輝いてみえる靴をつくりたいと思う。
僕ひとりで靴をつくっているという錯覚が腕を鈍らせてしまう気がする。

お一人ですべて作っているのですか？とよく聞かれ、
一応そのときは「はい。そうですよ。」と答えてはいますが
靴に使う革は買っているし、すべて作っているとは言い難い。
木型も削ってつくっているけれど、木型屋さんがいるからこそできることもある。

数年前は、一人ですべてやることに拘ろうとしていたけれど、いまは違う。
少なくても恵子さんとふたりではじめたてのひらワークスです。
ひとつの仕事を分けるのではなく、ひとつひとつ足していくように豊かなもの作りをしたい。
最初からゴールを１だと思ってはいけない。