reconsider/10月19日

  見なおす
 
古いものは新しいものよりも劣ると思いがち。
でも昔ながらの漆の椀など、見なおして使わなければ損。
漆器屋の商法に「漆の椀の使い料、どれも同じ一回一円也」というのがある。
一個八百円の椀も一個八千円の椀も、
どちらもその使い料は同じく一回1円ですのというのが漆器商の説明。

毎朝のみそ汁用に使ったとして、八千円の汁椀は20年ぐらいつかってもビクともしないけれど、
八百円のほうのは2年くらいで塗りがはげて駄目になるというのが、
どちらの使い料も同じく一回一円也の計算のよりどころ。

どうせ買うなら高い方がお得。作りが良くて食べ物がおいしい分だけ高い方がお得ですよというこの考え方も
見なおしたいもの。売値に惑わされないで、使い料で「いい器」を見立てて買うという昔の知恵をぜひ見なおしたい。

住まう 秋岡芳夫著より抜粋。

靴屋もこんなふうに靴を販売できるようになりたい。
一日の靴の使い料はいくらなんだろう。考えたこともなかった。
でもこれはちゃんと見直そうと思う。