As a craftsman in this town/10月6日

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先日完成した栗色のストラップシューズを早速受け取りに来てくれました。
完成した靴をみて、その革の表情が靴になる前の革よりもずっと綺麗に見えるなぁ。と思っていたのですが
今日のお客様も靴をみてすぐ、綺麗な色ですね。と同じように感じてくれました。
ストラップシューズに使用している革はイタリアのバケッタ製法というオイルを十分に含ませた丁寧な仕事で作られた革で
製作途中にその革と手がこすれたり、金づちやペンチでたたいたり伸ばしたりするうちに自然と光沢がでてきます。
つくりながら、すこしずつ手の中で変化していく過程はとても面白いけれど、そのぶん緊張感も大きい。
その緊張感を持ちながら仕事をすることが、今の僕にはとても必要なことなんだと思う。
だれにというわけではないけれど、こういうことにちゃんと感謝しないと。

履き心地歩き心地も満足してもらうことができました。よかった。
このお客様はご近所の方で、歩いてこれるすぐ近くだからという理由で靴を誂えにきてくださいました。
修理や調整もすぐにでき、相談もすぐにできるから、安心して靴を買うことのできる。
ほんとそうだと思います。今の時代は交通も物流も発達しているから、その距離感が人によって様々なだけど
やっぱり近いことは最大のメリット。

僕は生活道具をつくっている職人だから、大工と同じ。
アトリエの前にも鍛冶屋の建物が残っていますが
昔はたくさんの職人がいてさぞかし豊かな商店街だったのだろうなぁと思います。
その時代にタイムスリップして靴屋ができたら楽しそうだなとか、勝手にセピア色の世界にいる自分を想像しています。