追求するドレスシューズ/4月16日

先週からずっと一足のドレスシューズの製作をしていました。
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一週間前、木型に癖付けていた中底を眺めながら、
新しい方法にチャレンジしてみようとふと意志が固まりました。
クラシックシューズやオーソペディックシューズを履く時いつも気になるのが、底の重さや硬さ。
それが良いことももちろんあるのですが、もう少し良い加減につくりたいと思っていましたが
時間がないことを理由に先延ばしにし続けていました。
でも最近は靴の仕事を減らし、その分質の上げるようにシフトチェンジしたため
新しい手の込んだものづくりができるようになりました。
そして1週間かけて今日、やっと完成しました。

心地よい土踏まずと柔らかな指先が両立する、返りのよい中底づくりが今回の挑戦。
いつもフットベッドとモカシンの工程を組み合わせて製作した甲斐あって、予想以上に快適です。
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本底はマッケイと迷いましたがコバの消耗や手入れにおいて寿命が短いため、ステッチダウンにしました。
それも手縫いにしか表現できない縫い方の工夫はよりこの靴を引き立たせることができました。
婦人用になら、マッケイが相応しいかなと思います。
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また革の厚みはこれまでよりも0,5ミリ薄くしています。
それによって軽さと上品さが増したようにも感じます。
薄くなった分、履き口のパイピングや裏と表に革を挟む方法で補強も十分です。
要は、いま僕ができることを手を惜しまずにやり尽くしました。
一生大事にしていきたいドレスシューズを一足考えている方に、お作り出来たら幸いです。

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追求するドレスシューズ
¥108,000(木型代金別)
木型製作
¥43,200