リニューアル 牛革コモンシューズ かおりさん/1月28日

IMG_1729
これから新しくてのひらワークスの定番となる牛革シュリンクレザーのコモンシューズです。
お客様第1号となる、隣町のかおりさんへお渡ししました。

ここ数年、ずっとてのひらワークスの靴に相応しい革を探していました。
幾つも試しても腑に落ちない、納得できない、続かないが続いていましたが
昨年ようやくこの牛革に巡り合うことができました。

世に出回っているのは、やはり売れるモノなので
けっこう偏りがあるし、僕もその影響をうけてしまっていたのですが
この革はその中でひかえめにしていて、うっかり僕に見つけられてしまった革という感じです。

僕はいままでずっと
てのひらワークスのつくる靴を普通のモノにしたいと思って
普通の人が履けるものをつくりたい気持ちで続けてきましたが
それを考え作れば作るほど、世の中の普通と離れていくようでした。

一般の人に、顔のみえないわからない多数の方にチューニングしようとする感じです。
既製品をつくることはそういうことだと疑っていなかったし
売れる数が評価につながると考えていました。

でも、つくればつくるほど、
靴に自分の個性というか表現や趣向が付け加えられていく。
結局、ただ自分のつくりたいものをつくっている。それがどんどん純粋化していく。
当たり前だけど、つくりたいのはまだ世の中に存在しないもの。
より心地よいとか、よりモダンだとか、比較して評価されるような靴ではなくて。

市場調査は重要なことだと思う。
世の中の動きを把握すること、予測すること、同情すること。
そうやって眺めていると、その中にいる自分がみえてくる。
一般の人のためにつくること、世の中のためにつくること。その気持ちは変わりません。
世の中を見渡して、その中の自分をみつけて、自分と世界をつなげる靴をつくることが
僕の考える、世のため人のため。
僕のつくりたい靴が受け入れられるかどうかはわからない、きっとそんなに売れはしない。
(割と高いしね。)
それでも気にしない。ゆっくりいこう。