スライディングスケール方式/11月1日 新月

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11月のマエダ特殊印刷さんでの展示会では
一部の靴の価格には下限と上限を付けています。
例えば【COMMON】は20,001円~50,000円程度の範囲で
ご購入希望の方にお支払い金額を決めていただきます。

20,000円は靴の材料代と諸経費分とご理解ください。

1~30,000円は
靴を実際に履かれてから
ひと月後以内にその範囲内でお支払いください。
たったひと月でその靴の価値を決めることは難しいですよね。
私もこれまで値付けをしてきましたが、これまで一度もスッキリしたことはなく、正直適当なんです。
面倒なことを押しつけてしまっているのですが、、どうぞよろしくお願いします。

現金ももちろん大丈夫なんですが
そもそも価値をお金に換えること自体が、私たちの本当に欲しいものから遠ざかっていくように感じます。
そんな時はお金以外の方法も嬉しいです。
これまでも、靴の宣伝を手伝ってくれた方
美味しいパンを送ってくれた方
素敵な絵を描いてくれた方
ふしぎな本を送ってくれた方
そんないろんな友達がいました。

友達と言わせてもらったのは、
北九州で路上生活者の支援活動をしているNPO法人抱樸の奥田さんの講演会でのお話の影響なんです。
奥田さんのお言葉を一字一句覚えてはいないのですが、たぶん以下のような話だったと思います。
奥田さんは抱樸のスタッフとの会話で、彼の言葉に大きな気付きを得ました。
「毎月たった数回の炊き出し支援で、僕らは彼らを救えているとは思えない。だから僕らがしていることは
ただ友達を話をしたくて会いに行っているようなことしかできていない。
その時には手土産のひとつくらいもっていくのが礼儀ですよね。僕らのしていることはそんな感じのことだと思う。」
奥田さんはそういう関係性を「なんちゃって家族」とよんでいました。

その「なんちゃって家族」は僕の望むことにとても近い気がしました。
スライディングスケール式(購入者が満足度に応じて金額を決めることができる方法)を選択した理由は、
出来るかぎり経済力に左右されずに、幅広く多くの方に靴を履いてもらえる機会を増やすためでしたが、
いざよく考えて、想像してみると、
多くの方に選んでもらえることを僕はそこまで望んでいないことに気付きました。
それよりも、いかに自分が「この人につくりたい」と思える出会いができるのかが重要で、
そのためにスライディングスケール式を取り入れることにしました。
支える側と支えられる側ではなくて、上も下もなく対等であることを大事にしたいです。
その中で自分(靴)の価値は、市場原理ではなく、目の前の対等なあなたに決めてもらえたら
そんな幸せなことはありません。

  あなたのためと打つ点が
  わたしの鼓動になってる。

  わたしのために打たれる鼓動が
  あなたの歩調になっていく。

  てのひらから届けあい
  てのひらを差し出しあえる
  繋がりを。

  おおらかに
  手放し合える
  信頼を。

数年前に、友人からもらった言葉です。
今でも大事にしています。
いや、当時以上に大切にしています。

僕のつくった靴はどうしているかなとたまに思い出します。
思い出せることが嬉しいです。