秋の靴浴/10月4日

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さっぱりした靴浴後。

この靴も10年以上前に作らせてもらったもの。
一度修理したのがいつ頃だったか忘れてしまったが、
そこから5年以上は経っていると思う。

先月の展示会に持ってきてくれて、
もし直せるならまた履きたいというご要望だった。
アッパーはひび割れしていて、底の天然ラバーは溶けてしまっていた。

「だいぶ履き込んだね。」と言ったら
「もう小林さんに会うこともないのかな、と思って、、そしたらしばらく外に出しっぱなしにしちゃって。」
と申し訳なさそうに小声で言うのだった。

もう僕に会うことがない。
それを聞いた時は「そうだよね。」と相槌を打ったけれど
意気消沈する寸前だった。

愛情がなくなる瞬間は突然やってくる。
彼にとって靴への愛情は、つくり手との繋がりと深く関係していたが
それは彼に限ったことではないだろう。
人と付き合うということ、モノを付き合うということ
考えさせられる出来事だった。

2023.10.4修理の靴