だんだんと緑に黄色が混ざってきた。

採寸時に甲を圧迫していたので、甲を少しボリュームを足して製作したのだが
それが余計な事だった。
逆に緩くなってしまい、調整をすることになった。
大きくつくったものを小さくするには、一度底を外して、つり込んだアッパーも外して
つり込み前のアッパーとシューベースとアウトソールの３つに戻す。
そして、木型にもう一度つり込み直す。
初めての挑戦だったが、これがとてもうまくできた。

勝因はひとつ。一度目のつり込み後の後始末に手を抜かなかったから。
正直まったく見えるところでもないし、履き心地にも余程のことになっていない限り
ほとんど影響もしないところだから、唯一手を抜いても良いと言えば良い場所。
恥ずかしいことだが、正直いえば、今年に入るまではそれに甘えてきた。
今年になってやっとこういうところにも目と手が行き届くようになった。
手を抜いていた場所は、言い換えればまだまだ手を掛けられる余地のある場所でもあることを知った。

良いものには理由がちゃんとある。

「よい建築は強、用、美という3つの条件によって成り立つ。」
ウィトルウィウスのことを思い出した。