女子高生のローファー/3月25日

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左の画像が修理前。右が修理後。踵のつくりはうちが得意とする踵全体をまあるく包み込む製法。

 
彼女がうちの工房へお母さまと一緒に訪れたのは彼女が高校1年生の夏でした。
学校指定のローファーの靴が合わない為オーダーしたいとのこと。
彼女の足の踵の骨は一部出っ張っていてローファーの踵部分にあたって痛くて
履いているのが苦痛になっていました。
それまでは主にスニーカーを履いていたため、彼女の特徴である骨の出っ張りに気付かなかったのです。
私自身、高校入学と同時にローファーを履くことになった時、
家から徒歩2分足らずで踵ずれして足を引きずりながらやっとのことで登校し、
両方の踵に出来た豆と破れた皮膚でしばらく歩行が大変だったので彼女の苦労はよくわかりました。

話を戻すと、
うちで製作したローファーに学校指定靴のベルト部分に校章がついているので
それを移動して無事完成しました。
幸い履き心地は良好でその後高校卒業まで彼女の足もとを毎日御供したローファー。
そのローファーが修理でわが工房へ戻ってきた。
なんの修理かというと、、、
時は過ぎ、現在女子大生となっている彼女が
ローファーの校章を取り外して引き続き履きたいからなんです。
もう、これは靴づくり冥利に尽きる出来事です。
約2年半毎日履き続けたのでソールはさすがに減っているので
張り替えて校章を取り外して磨いて完成です。
それにしても靴を様々な足があるにもかかわらず
ひとつの靴に当てはめようとする校則とはいかがなものでしょうか。
健全な身体をわざわざ歪ませる原因になる校則は

今すぐ変わってほしいと心の底から思います。

 

投稿:かあちゃん