幸せは持ち帰れない/8月26日

何もない平日、家族でドライブ
子どもに音楽をせがまれ、
運転中の妻のスマホを借りて
慣れない操作でアマゾンミュージックをひらく

さてそこからがわからない。
でも指が迷いながら触ったのか
勝手に曲が流れ始める。
最初は操作に気を取られて曲が耳に入ってこなかったけれど
段々と意識がBGMにシンクロしてくる。なんだろう、もう少しこのまま聞いてみようと思う。
ちょっと渋くて温かい歌声。横の妻に同意をもとめるように
「いいねぇ」と呟きながら、画面をみる。
高田漣 ハロー・フジヤマ

その名前の横には、myディスカバリーの表示。
知っているようで知らない、見えていたけれど素通りしてた、よくわからない機能。
それに触れたようだった。

ハロー・フジヤマが心地よく通過していって
身体はすごくリラックスしていた。
そしてまた次の曲がはじまった。

次はなんだろう、山の景色が町の景色へ移ろい始める境目あたり
耳障りの良い、懐かしさを感じる、優しいイントロ。
聞き慣れた音だけど、この数秒後の、ここからの数分間の期待が自然と高まって
しばし無言になる。

そしてほらやっぱり。期待を裏切らない。

最初のAメロの歌声をきいて、妻がちらっとこっちをみていう
「これ、ヒデちゃんじゃない(笑)」
「ほんとだ。ヒデだ。」

スマホを見てみる、
water water camel 横顔

「myディスカバリー、すごいな。よく私の中から掘りだしてくれた。」
どうして忘れていたんだろう。
私の中にはこんなにも素晴らしい音楽があることを。

2022年8月26日 42歳 おめでとう。

横顔の次は、男と女Un homme et une femme
シャバダバダ シャバダバダ

2022.8.26家族