ソトコトさんの取材を受けて/2月5日

ソトコト2022年3月にてのひらワークスを紹介して頂きました。
取材のテーマは「ローカルプロジェクト」。
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最初この話を頂いた時は、すごく有り難いお話しなんですが
「ローカルプロジェクトをしているつもりは全くないので、
 今回の取材相手として僕らは違うのではないか。」と相談しました。

6年前、たまたま僕は岡山に流れ着いて、一度は靴屋もやめても良いとも考えていた時期もあった。
仕事は何でもよくて、宅配業とか畑仕事とか、お金を稼ぐため、ご飯を食べるため
できることを片っ端からやってみて、特別なにも成しえなくても、明日笑っていたらそれで良し。って思ってた。

でもどこの場所でも「靴をつくっている」と言ったら
つくってほしいという人は必ず一人や二人はいるもので、
自分にしかできないことかもしれない!と思えた仕事はやっぱり心が躍る幸福感があった。

でも僕からすれば「自分にしかできないこと」も
相手にとっては「足を運べる場所で、手の届く金額で、言葉の通じる靴屋に出会ってしまった」だけのこと。
同時にそんなふうにも思うようにしていた。

「わたしにしか作れない靴ではなくて
 あなただけが喜んでくれる靴をつくる。」
それは誰にでもできることだと、僕は思う。

無駄にいていい場所をつくるって、勢いで言ってしまったけれど
そんな場所はつくる必要はなく、むしろ意識的に作ったら無駄な場所ではなくなる。
路上で出会えばいいと思っている。ひととひとが出会えば、そこが場所になる。

風に吹かれて、何がなく歩き彷徨って、そこで誰かと目が合って、立ち止まった場所。
何の名前のない路の隅で、靴を作れるようになれたらいい。
そんなふうに街を見渡せば、
無駄にいていい場所は、いま自分が立っているこの場所で、自分自身そのものだと気付く。

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「強い想いを持って活動されていて、それを対外的に発信されていて、
 なおかつ色々な人たちを巻き込んで行われているものであれば
 規模感はともかく、それはローカルプロジェクトと言っても良いのでないかと思っています。
 そしててのひらワークスさんは、
 まさにこのような「最小単位でのローカルプロジェクト」なのではないかと感じました。」
と担当編集者さんから取材の説明をうけて、なんかその気になって取材を受けてみました。

取材を受けて本当によかったと思っています。
いろんな人に出会うことで、僕も新しい自分に出会うこともできる。

僕のしていることが、ローカルプロジェクトであるならば
それは特別なものではなく、誰にでも今すぐにでもできること。
究極をいえば、いま生きていることがローカルプロジェクトであると言える。
そんな世の中であってほしいと心から思う。