Tempo/8月21日

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てのひらワークス案内状をつくりました。
誂え靴をご購入頂いた方に1部お渡し致します。

誂え靴は年間20足程度つくっています。
今後それを100足にすることを目指していましたが、
100足どころか、40にも60にもすることはできないなぁと、最近思うようになりました。
注文が来ないという理由もありますが、、
もし来たとしても、それでは質を下げるだけで、上げることは絶対できないと思ったからです。

僕はこれからももっともっと靴づくりが上手くなりたい。
100足つくることが、靴づくりの上達の繋がるのならばいいけれど
靴づくりの上達を目指すのであれば、一足一足にもっと深く関われる仕事をしなきゃならない。
たとえ1足しか仕事がなくても、その1足にとことんこだわってつくることができれば
つくることに追われてやる100足の仕事よりもはるかに価値がある。

いまはただの力量不足で年間20足のテンポでしか良質な靴がつくれないということも考えられる。
力をつければ50でも100でもいい靴はできるのかもしれない。
数に囚われてしまうのは、結局のところお金の問題。
どんなに上手につくっても靴の価格は変わらない。
僕の腕の向上と靴の価格は比例しない。まったく関係ない。
いい靴をつくりたい。良質な靴を探りたい。

でも一方で、
目の前の人には、
僕が生計を立てるために必要な数も
僕が成長したと満足できる質も
関係のないこと。

だから
数にも質にもとらわれることなく
ひとつひとつの靴に愛情をもって
わたしのTempoでつくることだ。

Tempoが合う。
そこに求めているものがある気がしている。

案内状は、友人から頂いたひとつの詩から始まります。
この詩に導かれるところへ歩いていきたいと思います。

  コモン -COMMON-
 
  あなたのためと打つ点が
  わたしの鼓動になっている。

  わたしのために打たれる鼓動が
  あなたの歩調になっていく。

  てのひらから届け合い
  てのひらを差し出し合える
  繋がりを。

  おおらかに
  手放し合える
  信頼を。