失敗が有り難い/3月2日
先日、雨風食堂さんに行ったのは、
あゆこさんの靴の相談のためでもありました。
靴をつくったのは木型に刻まれた年号で確認できました。2016年。
何度か調整もしつつお使い頂いていましたが、
今回は、「踵が後ろへ出てしまいそうで、不安な感じがするのを
どうにかしてほしい。」というご相談でした。
現場では甲がきついことが原因かなとか、
ヒールが少し後ろ下がりかなとか、
あれこれ悩みましたが、
持ち帰って木型にはめてみたら、その原因がすぐにわかりました。
踵部分がほんの2ミリはみ出ていることがわかりました。
でもこれは、「踵が出る感じがする」と指摘があったからわかったこと。
そしてそれだけ木型の精度が高いことも証明してくれたような気もして
あゆこさんには本当に申し訳ないけれど
この失敗、ものすごくいい経験をさせてもらいました。
なんとか踵がハマるように革を伸ばしたり手を尽くしましたが
小一時間格闘しました断念。
これも自分の靴が軟じゃないことを証明もしている気がして
5年前の我を褒めたくもなりました。
失敗は時に有り難いものです。
特に絶対の自信を挫く失敗こそ最高の糧になる。
手を抜いた失敗ほど無意味なものはない。