めいめいに/1月8日
それと昨年末から進めてきた
奈良県の靴下メーカーとのオリジナルソックス開発。
何度も相談させてもらい、サンプル製作の段階までこぎ着けました。
靴のことでも同じですが、
「物足りなさ」をおぼえた瞬間から、そこを探るように手づくりは始まる。
世の中にこれだけの物が溢れているにも関わらず
「物足りなさ」は突然やってくる。
なぜだろう。
今日、久しぶりに秋岡芳夫の『住 すまう』を手にとった。
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もともと人間の暮らしは個別、めいめいが当然。
お隣さんと同じ間取の家に、同型のテレビを置いて、
朝な夕な同じ番組をみていたのでは、いいことは無い。面白くもない。
暮らしをめいめいに、我が家らしく工夫し直すことが、
日本中の都市化した町でいま必要不可欠なものになって来た。
住宅の工場生産が軌道に乗る昭和五五年頃には、
めいめいだった日本の生活の伝統や暮らしの知恵が価値あるものになるだろう。
僕は自分のために自身の靴をつくる。靴下をつくる。本をつくる。暮らしをつくる。
同じ想いのひとがいたら、もちろん分ける。
でも分けるのはモノだけじゃない。
面白いこと、知恵を絞ること、暮らしを心底楽しむこと。分け合えたらいいなと思う。