ハンディキャップとは/11月30日

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【AZUKI】のベルトの留め方が決まりました。

靴が完成した時は、写真のようなギボシではなく、
ベルトのように美錠で留めてもらう仕様にしていました。

先日、納品に伺い、実際に自分の手で履いてもらうことでわかりましたが
なかなかバックルを通すことが難しい。
慣れればできるという問題でもなさそうで、
持ち帰って、留め方を改良することにしました。

良い靴の条件に「履きやすさ」は大切なことです。
簡単に留めようと思えば、いくらでもやり方はありました。
でも一度、「楽すること」へ逃げてしまえば
最終的にはぶかぶかのサンダルになることが落ちでしょう。

今回の靴は、外反母趾と扁平足両方の問題を解決することが目的でした。
そのためには、
足が楽な方へ逃げることを止めるため、この靴には足を正しい姿勢を誘導する仕掛けが必要でした。
僕はそれをハンディキャップと呼んでいます。
そしてその効果を最大限に活用できるように、足をベルトでしっかり固定しなければなりません。
そのための大切な留め具にバックルを選んだのは一番固定力が強いためです。
足に楽をさせないことが、足の負担と身体の負担を和らげ労わることを繋がります。

でも慣れないバックル式の靴は、履く人の大きな負担になってしまいました。
結果、写真のようなギボシ式で留めることにしました。
これならば、身体を捻ったり目で確認しなくても、片手でも留めることができると思います。

今回の靴づくりは、足と靴の関係性をしっかり理解して頂き
ハンディキャップを正しく使ってもらうだけでなく、
道具としてストレスなく使えるよう、相手を慮ることを学びました。