インサイドゴアもうすぐ。
この靴には決まった型紙がない。
すこし大きめにカットした一枚の革を型に巻き付けるようにして成型し
余分を包丁で切り落としていく。
ここで試されるのは目。定規は使わず目分量で見きわめる。
目分量では左右で差が出るかもしれない。現に左右を整えることにすごく時間がかかってしまう。
でも左右完全一致がいつも正しいわけじゃないのが、靴の世界。
目の感覚。手の感覚で作れるようになりたいと思う。
それを信じられるようになれば、疑うことがなくなれば、
もっと早く巧みに作れるだろうな。

それにはもっともっと作らなくてはならないが
人生の残すところ、あと何足つくることができるだろうと、考えてしまう。
自分を切磋琢磨できるほどの数は作れない。材料代もばかにならないのです。
それならば、迷って失敗して傷づいて無駄な手間をかけまくって
こねくり回してひねり出す靴が、自分の靴だと認めてしまうことも有りだろうか。
人生欲張りは禁物。

ノリランカ農園さんの秘伝豆。
朝積みで頂く贅沢。手が止まらない。