新発見!靴は伸びるぞ!PLANET!/9月24日 百掌往来メモ36
出来上がり時は、
4ミリのSHOEBASEでは痛いくらい窮屈で
2ミリのSHOEBASEで適度なフィット感。
歩いていると、踏み込んだ時にキュッとして、蹴りだし地から浮くと解かれる。
その繰り返しは心臓。歩くとは鼓動のように思えました。
それから3か月。
2ミリのSHOEBASEも自分の足の形に変形してきて、
包んでいるヌメ革も柔らかくなってきて、全体にゆとりができ始めました。
すると鼓動の感覚は薄まり、物足りなさを感じるようになりました。
半面、いつも優しく包んでくれて、
それもまた病みつきになる心地よさでしたが、
それでも、またあの鼓動を味わいたいという欲求が勝りました。
まず履き口を一周している靴紐を締めることにしましたが
紐が滑ってしまって効果が薄いことに気付き、
そのロー引き綿紐を革紐に取り換えることにしました。
たったそれだけのことで、履き心地をだいぶ調整ができるようになったのは
大きな収穫でしたが、中のゆとりはそれほど変わりません。
次は、SHOEBASEの交換。
もともとSHOEBASEを交換しながら履き続けることができる靴として考えていたので
それを試そうと。
当初想定していたのは、同じ2ミリのもの。
でも自分で履いて気付けたことですが、FootCover(足を包んでいる革)が広がってしまったいるため
同じ2ミリでは履き始めのようなフィット感にはならないのでは。
そうイメージし、もともと作ってあった4ミリに変更して実験。
これがバッチリ。
3カ月前の出来立てホヤホヤの時は、FootCoverがまだまだ足に馴染んでいなかったため
指先も甲も窮屈で履ける気がしなかったのですが
この3か月いっしょに歩むことで
足に馴染み、伸び、広がり、いま僕に仕上がった感じがします。
今日のこのフィット感は、3か月前の2ミリで履き始めた時のフィット感にそっくりな印象でした。
FootCoverの良いところは全方向に広がること。
これは一般的な靴ではあり得ないことです。
幅は広げることはできるけれど、長さは変えられない。
それが靴の常識だと思ってきましたが、今日のことはその常識の殻を破る体験でした。
20年前、学生時代にモカシンをつくって以降
コンプレックスをもち、自分には履けない靴と疑わなかったモカシン。
まさかこんな日が来るとは。自分でも驚きです。
一緒に歩けないと思っていた4ミリSHOEBASEが
新たな相棒に加わったことがとても嬉しかった。なんだかんだそれが一番かな。
これで2ミリSHOEBASEの役目が終わったわけはなく
4ミリを休ませたい時、ゆとりが欲しい時、厚手のソックスを履く時など、出番はあります。
しっかり汚れを落として休ませようと思います。
PLANETは、ShoeBasePocketとFootCoveをうまく自分好みに工夫する道具です。
靴は歩くための道具である。
道具とは自分自身の分身である。