月型カウンター/8月19日 百掌往来メモ31
月型カウンターとは
踵部分をしっかり覆い固定することを目的とした
表革と裏革の間に入れるタンニン鞣し革。
今回の材料は栃木レザーヌメのショルダー部。3、5ミリ厚。
左は、裁断しただけ。
右は、裁断して、縁を手漉きして仕上げたもの。
完成したものを、斜め角度でわかりやすく撮ったつもりが
撮れた画像をみて、その映し出された漉きムラにガッカリしてしまいした。
手の触感や肉眼の確認は言うまでもなく、必須のことだが
今回の高感度カメラが写し出す情報は、それを補填してくれた。
ただそれを信じて頼ることは危険だ。
というのもいつもファインダーを覗く時はいつも、実物を写そうとすることよりも
いかに魅力的にできるかと意識してしまうから。
今回は自分の意志ではなく誤作動でシャッターをきってしまったことで
思わず真実を写すことに成功したような。そんな気がする。
僕の目はいつも真実を写してはいない。見たいものだけを写している。
それもひとつの真実かもしれないが、真実のひとつでしかない。