味と栄養/6月17日 百掌往来メモ24

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百掌往来 味と栄養

オーダーメイドで靴をつくる時、
木型を調整したり、新しく製作することは当たり前のように
どの靴屋さんもやっています。
1ミリ単位で削ったり足したりしたり、その箇所は10か所以上というところもあります。
でもなぜか、サイズを合わせようとすること以上のことをこれまであまり聞いたことがありません。

例えば革の厚みとか硬さとか、ソールの硬度とかヒールの高さや糸の種類、
芯材の厚みや範囲、形も履き心地に関係する大事な要素です。
革の厚みで言えば、0,1ミリ単位で製品づくりがされているのです。

その靴がプロダクトとして完成度の高いものにするため、多種多様な検証と選択をしながら
一足の靴をつくっています。

オーダーメイドシューズは「足に靴を合わせる」というけれど、その観点からだと
靴ありきで、「靴に足を合わせている」ように感じられます。

料理で言えば、味と栄養に例えられるでしょう。

サイズ合わせが味付け。
靴づくりが栄養バランス。

味付けばかりに気を取られていたら
肝心の栄養バランスを見失ってしまう。
特に食べる人には栄養は伝わりにくいものです。
プロの作り手としてはどっちもちゃんと気を配らないと。

いろんな味の靴を履けると嬉しいですよね。
それでいて、どれもちゃんと栄養バランスが取れていると安心ですよね。

そんな靴屋さんを夢みてます。