栓と千/5月17日
池の放流栓が詰まっていたけれど、枯れ葉などを除去したら
ドバっと水が勢いよく流れ出してくれた。
その時、恵子さんがひとりニコニコしているなぁと思ったら
「千と千尋の神隠しで、ドロドロの神様から千が自転車引き抜いて、
一気に汚れが噴出した時の、あの気持ち良い感じとすごく似てると思ったらコミカルな気持ちになってさ~。」
なんて話してくれた。
きっとこの池は何十年も掃除されずにいたんだなと
あの御爺ちゃん神様が目に浮かんだ。
人の手で作られた農業用ため池とはいえ、何十年も人の生活を支えてきたことを思うと
そこにはきっと神様が宿っていると僕が思ってしまう。
誰も使わなくなったから、池を管理掃除する人もいなくなり泥が溜まり
それが今後の災害の懸念場所となり下がった名のないため池。
来年、土手を崩して池を始末する工事を決定した町の判断は間違っていない。
なんかこのまま池が壊される前に
最後に、無駄なことかもしれないけれど、池を綺麗にしてあげたいと思う。
全部水を抜くことはできるだろうか。
そこからなにかうまれてくることはあるだろうか。
楽しみも不安も悲しみも、いろんな感情が湧いてくる。